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(1級建築士)鉄筋コンクリート構造の部材設計のポイント

建築士試験では、鉄筋コンクリート構造の問題が毎年2,3問出題されます。そのうち1問は部材設計に関する問題となることが多いです。構造系の人には簡単なものですが、構造系以外の人でも解けるようにポイントを解説します。

出題のタイプ

例えば、H29年度の建築士試験では、以下のような選択肢が出てきます。

(H29年度、問12)

1)梁のせん断強度を大きくするために、あばら筋量を増やした。

2)曲げ降伏する梁の靭性を高めるために、コンクリートの設計基準強度に対するせん断応力比を高めた。

(以下省略)

このように、鉄筋コンクリート構造の部材設計についての問題では、コンクリート強度や配筋量などを変えた場合、構造物の強度がどう変わるか、建物の安全設計上問題ないか、といったことを定性的に問われることにあります。また、一部の問題では、配筋量の具体的な数値などが問われることもあります。

試験対策としては、構造設計上、部材をどう設計するのがより安全かという考え方と、鉄筋コンクリート部材の基本的な性質を理解しておくことが重要です。

基本的な考え方

まず、設計で重要な考え方としては押さえておくべきポイントには、以下のようなものがあります。

  • 部材は靭性を高くして、脆性的な破壊を避けるようにする。
  • せん断破壊は脆性的となるので、せん断補強筋を増やすようにする。
  • そうすると、せん断破壊より先に主筋の降伏が生じて、靭性を発揮して脆性破壊を回避してくれる

ということで、ポイントはいかにして脆性的破壊を防ぐか、という点にあります。

この数値は覚えておきたい

基本的には、上で示した定性的な傾向を理解しておけば試験対策としては良いのですが、ぜひ覚えておきたい数値があります。それは、せん断補強筋比(柱の場合は帯筋比、梁の場合はあばら筋比とも呼ばれます)。

建築基準法施行令第77条では、帯筋比は0.2%以上にすることとされています。これは、柱のせん断強度を確保して脆性的な破壊を防ごうとするものです。

さらに詳しく知りたい人は

試験対策としてはこの程度でも十分だと思いますが、実際の設計はもっと複雑で、建築学会の規準などを参考にして部材設計がなされます。

 

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説〈2010〉

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