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(1級建築士)風荷重(その1)

建築士試験では構造設計における荷重の問題がよく出題されます。地震大国である日本では地震荷重はメジャーな存在ですが、建物によっては風荷重も重要な存在だったりします。

風荷重の細かい説明は次回にするとして、まずは大まかなイメージを説明しましょう。

風荷重に関する法規制

まずは法令上の規定から。建築基準法施行令第87条には以下のような記載があります。

(風圧力)

第87条 風圧力は、速度圧に風力係数を乗じて計算しなければならない。

前項の速度圧は、次の式によつて計算しなければならない。
q=0.6E・V0^2
(この式において、q、E及びV0は、それぞれ次の数値を表すものとする。
q 速度圧(単位 一平方メートルにつきニュートン)
E 当該建築物の屋根の高さ及び周辺の地域に存する建築物その他の工作物、樹木その他の風速に影響を与えるものの状況に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
V0 その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて三十メートル毎秒から四十六メートル毎秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速(単位 メートル毎秒))

(以下、省略)

ということで、面積あたりの力として規定されています。この風圧力に風を受ける面の面積(見付面積といいます)を乗じると、風荷重が得られるわけです。

風荷重の特徴

細かい計算方法などは次回に回すとして、建築士試験の問題を解くうえで重要となる、風荷重の特徴には以下のようなものがあります。

  1. 風荷重は建物高さが高いほど荷重が大きくなる。
  2. 周辺の状況(建物がたくさん建っているかどうか)によって荷重の大きさが変わり、建物が多い都会ほど風荷重が小さくなる。
  3. 地方ごとに風荷重の大きさは変わる。
  4. 建物形状や建物の部位によって、風荷重の大きさは異なる。また、建物の外から内へ向かう方向だけでなく、内から外へ向かう方向の荷重となる場合もある。

地震荷重との違い

同じ短期荷重としては地震荷重がありますが、風荷重との違いを理解しておくと良いでしょう。

風荷重は、建物が高いほど影響が大きくなります。超高層建物になると、実は部材断面は地震荷重ではなく風荷重で決定されることのほうが多いと言われています。

また、地震荷重は建物重量に比例するのに対して、風荷重は風があたる面積に比例します。このことは、軽くて面積の大きい建物になるほど、風荷重の影響が大きくなることを意味しています。例えば鉄骨の低層の倉庫などでは、建物重量が小さいため地震荷重は小さくなるのに、見付面積が大きくなって風荷重が大きくなることがあり、低層のわりに部材断面が大きくなってしまったりすることもあります。

 

法改正の動向

風荷重についても、地震荷重と同様に2000年の建築基準法改正のタイミングで大きく見直しが行われました。その経緯はこちらの資料に詳しく解説されてあります。

http://www.kinzoku-yane.or.jp/technical/pdf/261sp.pdf

 

 

以上、風荷重の特徴についてでした。詳しい解説は次回以降にしていきたいと思います。