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転勤と参勤交代はどちらがマシか

こんばんは。

 

ツイッター界隈では、転勤は江戸時代の参勤交代みたいなものだ、ということで話題になっています。おっしゃる通り、参勤交代が幕府への忠誠心を示すものであったように、転勤もまた会社への忠誠心を図る制度と言えるでしょう。必要性や合理性はなく、多くの人が疑問に思っているようです。

日本独特の全国転勤という制度

 日本企業では、総合職として採用される際、ほとんどの場合で転居を伴う転勤の可能性がありますし、就業規定にも会社が社員を異動させることができると明記されています*1。最近では、地域限定職という採用も出てきているようですが、同じ仕事をしていても総合職に比べて2~3割ほど賃金が低く設定されるようです。この減額分がいわゆる転勤プレミアムというもので、転勤を受け入れる我慢料といえるでしょう。

参勤交代とは

参勤交代とは、江戸時代に幕府が大名に対して1年おきに地元と江戸を行き来するよう命じた制度です。しかも、地元に戻っている間は正室と世継は江戸に残しておかないといけないし、往来にかかる費用はすべて大名が自己負担するということになっており、大名にとっては辛い制度といえます。

両者の比較

コスト

直接的なコスト面でいうと、転勤のほうがマシといえます。転勤に伴う転居等の費用はすべて会社負担ですし、場合によっては単身赴任手当が出る場合もあります。一方、参勤交代では、上述のとおり費用はすべて大名が自己負担です。これにより、大名の経済力を抑える効果があり、結果として江戸幕府による安定した統治が可能となった一因のようです。

ライフプラン

転勤の場合、次にどこに行くかは事前にはわかりません。多くの企業で、転勤事例が出てから引っ越しまでの猶予期間は1~2週間程度のようです。独身ならまだしも、就学中の子供や要介護の親などがいる場合、突然の転勤辞令に対応するのは難しく、単身赴任を強いられることも多いでしょう。

参勤交代の場合、行先は江戸と決まっており、基本的に1年おきというスケジュールも決まっているので、ライフプランを立てるという意味では、転勤よりマシかもしれません。

キャリアプラン

転勤についての企業側の言い分として、キャリアアップや業務経験を積ませるといった人材育成を理由とすることがあります。しかし、転勤による人材育成が本当に必要で効果があったのか、検証された例はあまり聞いたことがありません。本人の希望に沿っているとは限らず、かえってキャリアをつぶしてしまうことも多いようです。

江戸時代の人々にキャリアプランなんてあったのかどうかわかりませんが、おそらく生まれた時点で身分・職業が決まっている時代ですから、キャリアプランには特に影響しないでしょう。

転勤の謎

なぜ直前に辞令が出るのか?

社員の最適配置は人事部門が行う最重要施策といえます。配置転換には多くの時間をかけて検討しているでしょうし、通常は半年~数か月前には異動が決まっているようです。しかし、本人に通知されるのは直前になってからです。

事前に転勤がわかっていれば、家族含めて様々な準備ができますし、引っ越し等も早めに手配すれば安く済むはずです。また、転勤が嫌なら転職活動するということも可能になり、本人にとってキャリア形成を真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。(企業側からすると、社員が転職しにくいように、あえて直前に辞令を出しているのかもしれないが)

会社側にメリットある?

 そもそも、会社側からすると、社員を頻繁に全国転勤されるメリットってあるんでしょうか。経営層になる可能性のある幹部候補なんでごく一部ですし、それ以外の人にはいろんな組織を渡り歩いてマネジメントを経験するなんていう経験は本当にいるんだろうか。上述のとおり、転勤にはそれなりのコストがかかってくるが、それを見込んでも、転勤により社員が成長し、会社の業績が上がっていると言えるのか。

 

共働き世帯のことは考えていない?

共働きがすっかりメジャーになった現在ですが、夫婦のいずれかが転勤となった場合、どちらかがキャリアをあきらめざるを得ないことがあります。また、単身赴任をする場合、残されたほうは一人で子育てをしながら働くことになり、まさにムリゲーでしょう。これだけ女性活用が叫ばれる中、人事制度が時代に合っていないためキャリアを断念する女性を度々見かけます。

 

転勤と既婚女性のキャリア形成

転勤と既婚女性のキャリア形成

 

 

転勤制度はそろそろ廃止しよう

ということで転勤制度について色々と書きましたが、総じて、社員も会社も特にメリットが無いように感じています。今後、雇用の流動化が進めば、自然の転勤もなくなるのかもしれませんね。

 

*1:ただし、新卒採用のときにこのような条件までちゃんと確認する学生はほとんどいないでしょう。